Suno AIで作った曲の著作権は誰のもの?商用利用の条件を弁護士が解説
Suno AIで生成した楽曲は商用利用できるのか。著作権は誰に帰属するのか。音楽生成AIの法的な取り扱いは複雑で、誤解も多い領域です。本記事では、Suno AIの利用規約と著作権法の観点から、商用利用の条件を整理します。
免責事項
本記事は2025年11月時点の情報に基づく一般的な解説です。具体的な商用利用を検討する際は、必ず最新の利用規約を確認し、必要に応じて弁護士等の専門家にご相談ください。
Suno AIの基本情報
まずSuno AIの概要を整理します。
| サービス名 | Suno AI |
| 運営会社 | Suno, Inc.(米国) |
| サービス開始 | 2023年 |
| 機能 | テキストプロンプトから楽曲を生成 |
| 生成物 | 歌詞付き楽曲、インストゥルメンタル |
料金プランと著作権の関係
Suno AIの著作権の取り扱いは、料金プランによって大きく異なります。
| プラン | 月額 | 著作権 | 商用利用 |
|---|---|---|---|
| Free | $0 | Suno社に帰属 | 不可 |
| Pro | $10 | ユーザーに帰属 | 可能 |
| Premier | $30 | ユーザーに帰属 | 可能 |
無料プラン(Free)の制限
無料プランで生成した楽曲は、利用規約上Suno社に著作権が帰属します。以下の行為が禁止されています。
- 商品・サービスの販売促進への使用
- 収益化を目的としたSNS投稿
- YouTubeでの収益化
- 音源の販売・配信
有料プラン(Pro/Premier)の権利
有料プランでは、生成した楽曲の著作権がユーザーに帰属します。商用利用が可能ですが、いくつかの条件があります。
商用利用の条件と制限
有料プランでの商用利用には、以下の条件と制限があります。
許可されている商用利用
| 利用形態 | 可否 | 備考 |
|---|---|---|
| YouTubeでの使用(収益化) | 可 | BGM、オリジナル楽曲として |
| 動画広告のBGM | 可 | 企業CMなども可 |
| ポッドキャストのBGM | 可 | – |
| ゲーム・アプリのBGM | 可 | – |
| 店舗BGM | 可 | JASRACへの届出は不要 |
| 音源の販売(配信) | 可 | Spotify、Apple Musicなど |
注意が必要なケース
| 利用形態 | 可否 | 備考 |
|---|---|---|
| 既存アーティストの模倣 | 不可 | 「〇〇風」は避ける |
| 既存楽曲の歌詞を入力 | 不可 | 著作権侵害のリスク |
| 他人の権利を侵害する内容 | 不可 | 名誉毀損、プライバシー侵害 |
| AIが生成したことを隠す | 注意 | プラットフォームによる |
法的な論点
1. AI生成物の著作権は誰のものか
日本の著作権法では、著作物は「思想又は感情を創作的に表現したもの」と定義されています。AIが自律的に生成した作品に著作権が発生するかは、法的に明確ではありません。
文化庁の見解(2024年)では、以下のように整理されています。
- 人間の創作的寄与がある場合 → 人間に著作権が発生する可能性
- AIが自律的に生成 → 著作権は発生しない可能性
Suno AIの場合、プロンプト入力というユーザーの関与があるため、一定の創作的寄与が認められる可能性がありますが、確定的な判例はまだありません。
2. 学習データの問題
2024年、大手レコード会社がSuno AIとUdio AIを著作権侵害で提訴しました。争点は、AIの学習に使われた楽曲の著作権です。
3. 類似性のリスク
AIが学習した楽曲に酷似した音楽を生成するリスクがあります。既存楽曲との類似性が高い場合、著作権侵害を問われる可能性があります。
安全に商用利用するためのポイント
1. 必ず有料プランを使う
商用利用を検討している場合は、最初から有料プランを契約します。無料プランで作成した楽曲を後から有料プランに切り替えても、権利関係が変わらない可能性があります。
2. 具体的なアーティスト名を入れない
「〇〇風」「〇〇っぽい曲」というプロンプトは避けます。ジャンル(ロック、ポップ、ジャズ等)や雰囲気(明るい、落ち着いた等)で指定しましょう。
3. 既存の歌詞を使わない
歌詞は自分で考えるか、AIに完全に任せます。既存楽曲の歌詞を入力すると、その歌詞の著作権を侵害する可能性があります。
4. 生成物のチェックを行う
生成された楽曲が既存曲と酷似していないか確認します。心配な場合は、音楽認識サービス(Shazamなど)でチェックする方法もあります。
5. 利用規約の変更を定期的に確認
AI関連の利用規約は頻繁に更新されます。商用利用を継続する場合は、定期的に最新の利用規約を確認しましょう。
他の音楽生成AIとの比較
| サービス | 商用利用 | 条件 |
|---|---|---|
| Suno AI | 有料プランで可 | Pro $10/月〜 |
| Udio | 有料プランで可 | Standard $10/月〜 |
| AIVA | 有料プランで可 | Standard €11/月〜 |
| Mubert | 有料プランで可 | Creator $14/月〜 |
| Soundraw | 有料プランで可 | Creator $16.99/月〜 |
よくある質問
Q. YouTubeでの収益化は可能?
有料プランで生成した楽曲であれば可能です。ただし、Content IDに登録されている楽曲と類似している場合、自動検出される可能性があります。
Q. Spotifyで配信できる?
有料プランで生成した楽曲は配信可能です。ただし、DistroKidなど一部の配信代行サービスは、AI生成音楽の配信を制限している場合があります。
Q. 作曲者名はどう記載する?
自分の名前、ペンネーム、またはプロジェクト名で記載できます。「Suno AI」と記載する義務はありませんが、プラットフォームによってはAI生成物であることの開示を求められる場合があります。
Q. JASRACへの登録は必要?
必要ありません。AI生成楽曲は既存の著作権管理団体に登録されていないため、使用料は発生しません。
まとめ
Suno AIで作った楽曲の商用利用は、条件付きで可能です。
- 有料プラン必須:無料プランは商用利用不可
- 権利帰属:有料プランならユーザーに著作権が帰属
- 注意点:既存アーティストの模倣、学習データの訴訟リスク
法的なグレーゾーンが残る領域のため、重要な商用利用を検討している場合は、専門家への相談をおすすめします。
最終更新: 2025年11月26日 | 情報確認日: 2025年11月